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新刊詳細

あと一週間でイベントですね!
めっちゃ楽しみ~~!
直接参加しにくい現状、webオンリーならサークル参加だってできちゃうという!
委託でお願いしてばかりなので、こういう単身サークル参加ってひさびさです。
主催さん、本当に本当にありがとうございます…emoji
☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆

新刊の案内をしたいと思います。
今回は3冊~

wash wash

300円
A5・P16 中綴じ R15
ガウリナが洗いっこするお話。ギャグ寄り
それほどえっちくはないんですが…R15にしました。

・装丁
オレンジ工房.com
フレーバーティーセット
https://www.orangekoubou.com/booklet/set_flavored-tea.php
こちらは期間限定セットで、表紙の上にシープスキンがある中綴じ製本になります。

「なんか本出したいけどやる気が起こらない…」
そんなときは期間限定セット!締め切りがあるのでやらざるを得なくなりますw
それで、このフレーバーティーセットを使ってみたんですが
わりとシープスキンが強くて、本が見た感じ白くなったw
まあ、もやがかってる感じがしてこれはこれでいいかな…
シープスキンの印刷はもっと工夫ができそうなんだよな~
オレンジ工房さんのセットは面白いのがいろいろあってまた使いたい

シープスキン80kg
中表紙 上質90
本文:色上質若草、刷り色:琥珀色


Parallel Worlds


600円
文庫本・P190 R18
パラレル&R18を集めた
web再録本
10編+書き下ろし1編
パラレルえちえち話をweb再録しました。
webに載ってるものから長さ・古さを考慮して選んであります…
再録本に入れた話もwebで引き続き読めます。
書き下ろしはwebには上げていません。完売後しばらくしてからwebに上げるかも。

・装丁
ちょ古っ都製本工房
表紙:ペルーラ スノーホワイト180kg マットPP
本文:書籍用紙72.5kg 淡クリームキンマリ

ちょ古っ都さん安いね!
でもデータを全部PDFで本文繋げて出さなきゃならないんで、
これまでと勝手が違って少し苦労したw
表紙は同人誌表紙メーカー(https://dojin-support.net/)さんの
画像データをトーンカーブいじりまくって作りました。


奇偶にも

300円
A5・P24
現パロ 分散授業ネタ
ガウリナ、あとゼルがまきぞえ
※感染症の話が出てくるので、時事ネタ避けたい、
 二次創作にまでマスクの話はいらねえよ!て方は購入をお控えなすって

・装丁
プリントキング
表紙用紙&遊び紙(前)チャレンジ2021

「なんか本出したいけどやる気が起こらない…」
そんなときは期間限定セット!
プリントキングさんに表紙・遊び紙をおまかせで選んでもらえるセットに注文しました。
こだわりがなければすっごい便利なセットだと思います。
あんまり詳しくないのに紙を選ばないといけないのって難しいし。
おまかせの結果は大満足です~ いい感じだ!

表紙:ジャガードグロス165kg
遊び紙:色上質さくら
本文:淡クリーム90kg

※冊子内容について
Twitterでちょっと分散授業をネタにしたことがあって。今回ぺらい本にしてみました。
パンデミックネタなんてこのご時世に不謹慎だ!って感じる人には楽しめない?かも?しれんな~とこわごわですよ。
「こいつ、ネタにして楽しんでやがる」とか思わないでねっ。私だって日々いらいらしてるし、コロナの影響を受けてない人なんていないわけで。せめて萌えネタにして昇華させようつうか、逆に「こういう時期だからこそ」みたいな。
まあとりあえずサンプルを下に置いときますので…「続きを読む」をクリックしたら開きます




分散授業

 教室の窓際、ガウリイは前を見つつもぼけっとして、男の担任が話す内容を右から左へ聞き流していた。何度目になるかわからない欠伸をマスクの中で噛み殺し、涙の浮かぶ目はしょぼしょぼしてくる。春の空気は暖かすぎず爽やかで、ガウリイの眠気をおだやかに誘う――
「では、プリントに名前を書いて提出してください」
 なまえ。なまえをかく……
 椅子の背もたれに引っ掛けてある鞄から手探りでペンケースを出そうとし、ガウリイははっとして目を見開く。
 ない。そういえば、朝にバイタルチェックをしてたら寮を出る時間が遅れて焦って――
(忘れちまった! え、オレ、筆記用具なしで今日一日過ごすのか?)
 周囲を見回すが、分散登校のせいで机はひとつ飛ばしに生徒が座っており、ガウリイの前後と右側には誰も座っていない。
(まじかよ!)
 椅子に座りながら落ち着きなく長身を揺らす。斜めは遠いが、そこまで腕を伸ばしてクラスメイトに筆記用具を貸してもらうしかない。仕方ない、と腹をくくったところで―すぐ右隣の机の中に、なにか残されているのが見えた。そうっと体を寄せつつ横目で確認してみれば。
(シャーペンだ!)
 まさに天の助け。机の主はオンライン授業で不在だ。おそらく、昨日シャーペンを忘れていったのだろう。
(すいません、お借りします)
 ささっと素早く、そして自然な挙動でもってガウリイは隣の机からシャーペンを手に入れた。シャーペンの後ろをノックすれば芯がきちんと出てくる。中には芯の予備も入っている様子。これで今日はどうにか乗り切れるだろう。
(ありがとう名前もわからん隣の人!)

 ***

「というわけで、朝イチからやばかった」
「偶然忘れ物があって助けられたというわけか」
 同じクラスのゼルガディスがよかったなと言いながら自分のペンケースを確認する。
「……シャーペンは一本しかない。すまんが貸せない」
「いいさ、今日は隣の人のを壊さないように丁寧に使うから」
 進学してすぐだが、ガウリイとゼルガディスは同じ寮、同じクラス、そして二人とも出席番号が偶数ということで親しくなっていた。学校ではつけっぱなしの、マスクの下の顔も知っている。
「オレの隣って男? 女?」
「お前の隣に誰が座ってるかなんて、俺が知ってるわけないだろ。入学式でさえ奇数偶数で別々だったんだ」
「だよなあ。ま、どっちでもいいか」
 会話をしながら、ガウリイはノートに切れ端に『左隣の席です。勝手にだけどシャーペン借りました』とお礼のメモを書いた。

 ***

「ゼル、オレの隣はたぶん女かも」
「ああ?」
 ガウリイがシャーペンを借りた日の翌日は寮でオンライン授業である。そしてまたその翌日が学校への登校日となるのだ。一日ぶりのガウリイの机の中にはメモが入っていた。
「女の字っぽい」
「ほお」
 ゼルガディスがガウリイの持つメモを覗き込む。

『芯の減った分どうしてくれる』

 短文だが怒りが透けて見える。
「……ケチだな」
「ケチだけど、一日中使わせてもらったしなあ……芯を一本、机の中に入れておくかあ?」
「気付かずに折れるだけだろ、それは」
「う~ん」
 悩みながらガウリイはブレザーのポケットに手を突っ込む。そしてはたと動きを止めた。
「……これ」
「どうした」
 ポケットから出した手には昆布飴があった。
「ばあちゃんから送られてきたやつ」
「しぶいな……」
「渋くないぞ。昆布の味がするだけで」
「チョイスがしぶいんだよ」
「特別な存在―って感じがしていいじゃないか」
 ガウリイは大きく破いたノートに『わるかった』とだけ書いて飴を包み、隣の机の中に入れた。


サンプルおわり





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雑記